が僕を選んでくれた。 ほら、やっぱり僕の方があの人より貴女を幸せに出来るって気付いたんだね。 あんな人にが幸せに出来る訳がないんだ。 これで晴れて彼女はあの人から開放された。 もうあの思いつめた表情をする必要はないんだ。 それなのになんで、 「なんで泣いてるんですか」 僕の問い掛けには首を傾げた。 当たり前だ。 彼女は涙など流していないのだから。 未だ疑問符を浮かべるの髪をそっと撫でた。 何故自分には彼女が泣いているように見えるのだろうか。 困ったような顔をするに自分が気難しい顔をしていたらしい事に気付いて苦笑いを零す。 そのまま抱きしめたら身体がビクンと跳ねた。 「どうかしたの?」 「なんでもない」 抱きしめる力を強めて僕がそう否定ずると耳元でがクスクス笑う声が聞こえた。 何が可笑しいというのか。 いや、確かに自分はおかしな発言をした覚えはあるが笑う所ではない気がする。 「レギュラスは昔からこうね」 そう言うとそっと抱き返してくれた。 「何年幼なじみやって来たと思ってるの。敬語が崩れてるわ。何が不安なの?言って?」 「……」 そう言われて口ごもった。 彼女には全てお見通しなのだ。 「本当に僕でいいの?」 「………正直、分からないわ」 胸がズキンと痛む音が聞こえた。 「私は貴方を彼の代わりにしようとしているのかも知れない。でも貴方に告白された時、本当に嬉しかったのも確かなの」 彼女が僕の肩を押してお互い向き合う形になると真剣な眼差しになった。 「答えが知りたいの。もし貴方が一緒に答えを探してくれるなら、私と付き合ってください」 僕とした事が一瞬呆然としまった。 だが直ぐに我を取り戻し彼女の頬に両手で触れ、真剣な眼差しで尋ねる。 「後悔はしませんか」 「未来の事なんか分からないわ。でも私は今貴方と一緒に居たいと思うの。貴方こそいいの?」 「、貴女と一緒ですよ」 互いにそっと目をつむり優しく口付けた。 どんな果実よりも甘いそれに酔うように深く、何度も角度を変えて口付けながら僕らは小さな闇に溶けた。 この愛は限りなく清い。 貴女が願うなら僕は貴女を世界一幸せにしましょう |