何処で道を間違えてしまったのでしょうか。
私は私達は愛し合っていると信じて疑わなかったのに。
貴方は私を愛してなどいなかったのですね?
saudade −サウダージ− ♯6 自覚
「……」
来ない、か…。
馬鹿みたい。
身体が重い。
帰ろう。
でも、でも…あと一時間だけ……。
もしかしたら来るかも知れない。
そんな風に、私は毎日あそこで待ち続けた。
二年間もシリウスの来ないあの場所で。
シリウスに別れを告げる、あの日まで…――。
「シリウス」
談話室に入るなり僕はソファーに座るシリウスに声をかけた。
「あ?」
難しそうな本を読み耽っていたシリウスは顔を上げる。
「は?」
「さぁ?」
また、本に目を向ける。
「さぁ?って一緒じゃないの?」
「あぁ」
興味が無いのかこっちを見向きもしない。
僕はそんなシリウスの態度に心なしかイラつきを覚えた。
「何処いったんだろ……」
「ふぁ〜!部屋に戻るか」
「……」
シリウスはさっさと部屋に行ってしまった。
2時間後、が戻ってきた。
「!大丈夫?顔色悪いけど…」
「大丈夫。リーマスってば心配症だなぁ。シリウスは?」
「部屋にいるよ」
「そっか…」
どうしたんだろ…。
「…はぁ……」
ヴォルデモートに呪いをかけられてから身体が怠くてしょうがない。
あの日からもう一年が経とうとしている。
勿論ダンブルドアには呪いの事まで話していない。
まぁ、あの人の事だから知っているのかも知れないけど。
シリウスとはもう殆ど話していない。
あの日の次の日、シリウスは朝一番に私に謝って来た。
『昨日は行けなくてゴメン』
『い、良いよそんなに謝らなくて!』
『ホントゴメンな!一昨日ジェームズ達と遅くまでふざけてたから昨日寝ちまって…』
『良いよ良いよ。でも今日はちゃんと来てね?』
『あぁ』
でも彼が約束を守る事はなかった。
次の日もそのまた次の日も同じ事の繰り返し。
一ヶ月もするとシリウスは謝ってくるという事もしなくなった。
あの日私が見た女はシリウスの婚約者らしい。
最近決まった訳じゃない。
入学当初から決まっていたのだ。
あぁ、私はなんて馬鹿な女なんだろう。
考えれば直ぐ分かることだったのに。
「けほっゴホッゴホッ…」
「大丈夫?風邪?」
「……」
私は自分の手を見た瞬間青ざめた。
まるで漫画やドラマみたいに血が手に付いていたのだ。
「?」
「え?あぁ、風邪ひいちゃったみたい」
私は咄嗟に拳を握って血の付いた手を隠した。
「顔色悪いよ?先生には言っといてあげるから部屋戻ったら?」
「ありがとう…。そうするわ」
ジャー…――
「はぁ…はぁ…」
キュッ
『期限はお前が卒業するまでだ』
あの時のヴォルデモートの声が頭の中でこだまする。
『それまでに俺様に付かないならばお前を殺す』
――アレは単なる脅しではなかったのだ…。
そう実感した。
--------------------------------------------------------------------------------
はい、主人公吐血ー。
今まで主人公はヴォルデモートの呪いをかなり人事のように考えていたので一年たった今、吐血でやっと自分に迫る死を自覚しました。
シリウス最低ですね。
シリウスファンの方々、申し訳ありません;;
お願いですから苦情は止めて下さいね!
wwwの方に後々出てくるシリウスはもうちょいマシな奴…っていうより良い奴なのでシリウスファンはご安心を…^^;
っていうか今更ですがコレっていったい誰がお相手なんでしょうね。
私的にはシリウスをお相手と考えて構想を練り始めたんですけどね。
シリウスがあまりにも最低な奴になってしまったんでどうしようかと…。
ま、なんとかなるさ★根性で頑張って行きたいと思います。
取り敢えずラストは決まってるんでなんとかします。(ラストが決まっててお相手が決まってないってどんなラストだよ、とかつっこまないで下さい;)
2007.04.29.SUN Saku