「…俺様を求めろ」
週に一回くらいの間隔でヴォルデモートは私の夢に現れていが、あの日以来、確実に回数が増えている。
答えちゃダメだ。
そう自分に言い聞かせるしかない。
「俺様の手を取れ」
答えるものか。
私は何度も誘いの言葉をかけてくるヴォルデモートから目を反らす事によって自分の夢の中からその存在を消そうとした。
「お前を裏切ったブラックに復讐したくないのか?」
しかし、その詞に私の何かがプツリと切れた。
「シリウスは悪くない!!貴様に何が分かる!!!!」
「クックックッ…答えたな?」
な!しまった!!
ヴォルデモートは口の端を吊り上げて不気味な、しかし何処か惹かれるものがある笑みを浮かべた。
その笑みに思わず思考回路が停止する。
だがその瞬間…――
「きゃぁぁぁぁぁああ!!」
心臓に激痛が走った。
ドックン…ドックン……――
「これでお前は俺の物だ」
もう逃げられない。
私に待つのは生か死か。
その未来 さき はあいつに委ねられた。
遠の昔に動き出していた歯車は、今軋む音をたててその存在を主張し始めた。
歯車が動いていた事は知っていた。
そう、あの時から。
歯車は止められない。
否、歯車は止まるという事を知らないのだ。
故に歯車は廻り続ける。
ぐるぐると
周りの物さえも巻き込んで。
ぐるぐると。
どれが初めに廻り始めたかも分からぬ程に。
廻り続ける。
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無駄に余白が多いな・・・。
『歯車』はヒロイン達そのものを現しています。
『あの時』についてはまだ秘密ですv
徐々に明らかになっていく予定なので安心して下さい!
2007.04.01.SUN Saku .