私達が付き合い始めてから一年近くが経っていた。
「私達も遂に5年生だね!」
「時が経つのは早いわねぇ…。達が付き合い始めてからもうすぐ一年じゃない!あぁー!私も彼氏が欲しいわ!!」
駅のプラットフォームで会った私とリリーは二人で一つのコンパートメントを占領して夏休み中のことやら何やらを話し合っていた。
「やぁ、リリー!僕なんてどうだい!?」
バンッとコンパートメントのドアを開けて満面の笑みで入って来たのはジェームズ達、悪戯仕掛人一行だった。
「うふふ、ジェームズ?何に対して『僕なんてどうだい!?』なのかしら?あぁ、サンドバックにどう?ってことね」
リリーは黒いオーラを纏いながらニッコリと笑い、言い終えると間髪入れずに見事な右ストレートをジェームズの顔面に決めた。
見事なまでのストレートをくらわされたジェームズは無惨にも後ろに倒れる。
痛そう…。
「久しぶりだな、リリー」
倒れたジェームズを無視してシリウスがドカッと私の隣に座った。
「ホントに久しぶりだね、リリー。終業式以来じゃない?シリウスとは毎日のように顔合わせてたけど」
シリウスに続いてリーマスも哀れなジェームズを無視して席に着いた。
「うん一ヶ月以上会ってないねぇ。夏休み中二人は何してたの?」
「ん?あー、俺らは新しい悪戯グッズの製作に励んでた」
「なんてゆーか思い出したくない過去だよね」
「なんで?」
夏休み中二人に何があったのか気になった私はいかにも興味ありますというように身を乗り出して聞いた。
「あー…リーマス説明してやってくれ;」
「じ「説明が面倒なので効果音をどうぞ★」
ドカーン
バッコーン
ドバァッ
バッシャーン
バキーン
ギャーー!!
リーマスが溜め息混じりに説明しようとした途端ダウンしていたジェームズが突然立ち上がってきて坦々と言った。
まぁ今ので大体何が起きたのかは予想がつく。
大方悪戯グッズの製作に失敗したのだろう。
「今ので分かった?」
私とリリーは納得したように深く二、三度頷いた。
そして皆で見つめ合っていると笑いが込み上げて来て笑いあった。
よくよく考えてみるとこの時が一番幸せだったのかも知れない。
皆と本当の笑顔で笑いあえてたこの時が…――。
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2007.03.11.SUN Saku .