気が付けば黒いマントを羽織った男が私に背を向けて立っている。

あぁ、此処は私の心とやらか。



 

saudade −サウダージ− ♯10  この感情は、







そういえば私はリーマスの胸で泣きながら寝てしまったのか。


「……ヴォルデモート、卿………」
「調子はどうだ?よ」
「貴方のお陰で頗る悪いわ」
「それはよかった」

顔を見ずともわかる。
ヴォルデモートの口端が更に上がった。
自分の厭味を物ともしないのが気に食わなくて何か言い返してやろうとした瞬間、

紅い紅い深い 、全てを魅了する、真紅の瞳が私を捉えた。


「お前は俺様から絶対逃げられない」





「よく、覚えておくことだな」







不覚だった。
私は純粋に綺麗だと思ってしまったのだ。

胸高鳴りが止まない。
あの人に抱いたのは恐怖や畏怖か、それとも……………―――――――――。











恋慕の情か、













まだ、その時の私には分からなかった。













その胸の高鳴りが何を意味するかなんて。














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短いにも程があるぜ!はい、本当にすみません。
次の話を繋げようかと思ったんですけどそうしてしまったら雰囲気が壊れてしまいそうで・・・
どうしてもヒロインが動揺してる所で終わりたかったんです。
次はちゃんと長くしますのでご勘弁を!><;



2008.03.14.FRI  朔