「わ、私ずっとシリウスのことが…す、好きだったの!」
「お、俺も…」
「え?」
saudade −サウダージ− ♯1 幸福のひととき
まさか当たって砕けろ!って勢いでの告白でOKが貰えるとは思ってもみなかった。
だってシリウスはすごくモテるしこの学校に私みたいな女より断然美人な子なんてたくさんいる筈だ。
「!」
「シリウス、どうしたの?」
私が教室を移動するためリリーと話しながら廊下を歩いているとシリウスが走ってやってきた。
「あ〜ら、幸福の絶頂にいるシリウス君じゃな〜い」
私の隣にいたリリーがシリウスをからかうように言った。
「おいおいあんま大きな声で言うなよ///周りの奴らに聞かれたら困る」
「あら、なんで?」
周りに人がいないかどうかを確認しながら言うシリウスにリリーと私は首を傾げた。
どうしたんだろう?
「もし俺らが付き合ってるってことが広まったらが嫌がらせを受けるかもしれねぇだろ」
未だに周りを確認し続けるシリウスの台詞に私は気遣ってくれることが気恥ずかしくて顔を真っ赤にした。
「で、どうしたの?」
「あぁそうだ今日飯食ったら談話室で待っててくれ」
私は意味が分からず首を傾げた。
なんかあるのかな?
「良いところにつれて行ってやるからさ!」
シリウスが楽しそうに無邪気に笑って言った。
なんか期待しちゃうな・・・。
「うわぁー…すごーい!」
シリウスが連れて来てくれたのは一面花畑で空のよく見える学校内にあるとは思えないほど綺麗な場所だ。
私が思わず感嘆の声を出すとシリウスは満足そうに笑って言った。
私のこの反応を楽しみにしてたのか・・・。
恥ずかしいような嬉しいような・・・うーん・・・。
「此処は俺しか知らない秘密の場所なんだぜ!」
「良いの?私なんかに教えちゃって…」
「良いに決まってんだろ!でなきゃわざわざおしえねぇよ!そ、それに俺ら付き合ってるんだから隠し事は無しな!!」
「////も、勿論!」
なんかシリウスが嬉しそうにしてるとこっちまで嬉しくなってくるなぁ・・・。
今凄く幸せかも・・・。
それから一年間、私達は毎日そこでデートをし続けた。
そう、一年間だけ…――。
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2007.03.06.TUE Saku .