「シリウスー!」
「出た、だ」
「出たね、」
「で、出た、」
「テメェ!出やがったな!!」
ヘアーマニアック
「出たとは失礼ね!」
此処は男子寮。
突然部屋に飛び込んで来たスリザリンカラーのネクタイを絞めた少女の名は。
勿論少女なので女である。
「おはよう。今日"も"かい?」
「おはようジェームズ達。勿論よ」
「ねぇ。知ってる?」
「なぁに?リーマス」
「此処って実は男子寮だから女子禁制なんだ 」
「そんな今更〜」
あっはっはっと豪快に笑う。
顔善し。
頭善し。
スタイル善し。
そしてシルクのような綺麗さのブロンドの髪を持ち、日本人とイギリス人のハーフなのだ。
一見全てに置いて完璧に見える少女だが欠点が一つ。
極度の髪フェチで綺麗な髪を見ると性格が変わるのだ。
「あぁ〜綺麗だわぁ〜」
「………………………」
立ったままではシリウスの身長を考えるとよく見づらいから、と言って無理矢理ベットに座らせてシリウスの髪に指を通す。
指を通すは妖美で思わず、息を呑んでしまう程だ。
相手がシリウス程の美男子ならば余計に絵になる。
「指を通せばさらりと抜け、真っ直ぐで絹糸のような手触り…そして高級感を漂わせる匂い……」
「おい。お前完全なるただの変態だぞ」
「嗚呼…この匂いは名家御用達のシルフィアね!あんまり高くて手が出ないのよねぇ」
「きいてねぇよチクショー…しょーがねぇ、なんならやろ「よし。男に貢がせよっと★」
シリウスが「やろうか?」と、言い切る前には閃いたように言った。
言い忘れていたが、は極度のナルシストである。
そして人の話を全くと言って良いほど聞かない。
「私のこの容姿に貢がない男はいないわ!」
拳を握って叫ぶの手をリーマスがとり、そっと手の甲にキスをした。
そりゃもう紳士感たっぷりで、その辺の女子がされたら間違いなく気絶するだろう。
「そうだね。僕だったら貢いじゃうなぁ」
「あら、リーマス。本当?」
「のためなら、ね?」
「うふふ、ありがとう。でも貴方達には要求しないわよ」
「なんで?」
「だって女の子達の報復が怖いじゃない?」
「あぁ、そうだね!僕達ってば人気者だからね★ 」
「ジェームズも相当ナルシストよね」
本人もナルシストだという自覚は一応あるらしく、"も"がついている。
「はっ!もうこんな時間!?」
ふと時計を見て叫ぶ。
「どうしたんだい?」
「今日はスリザリンの先輩とデートなのよ!」
は忘れてた感丸出しでそれじゃあ、よい一日をー!と叫びながら颯爽と男子寮から去って行った。
極めて謎な女である。
短いですが拍手なんでご勘弁を(ーдー;)
拍手掲載期間 ~08.04.03
掲載日 08.04.08