『幽霊なんていねぇ』とか言ってるわりに肝試ししたがらない奴っているよね。










高三の夏、今回の話の主人公(多分。)である新八はあり得ない体験をすることになる。

 

新八は部活も引退して暇だ、ということで毎日のように学校の図書室に通っていた。

新八の通う高校はド田舎にある寂れた学校『銀魂高校』だ(ちなみに三年Z(ずぃ〜)組)。

そんな中学校の図書室なんかに大して面白い本などあるわけがなく、毎日通っているのはただ暇つぶしに仲の良い友達(?)と談笑などをするためであって新八の頭の中には『図書室=たまり場』という方程式ができてしまっているほどだ。

 ある日、いつものように友達と談笑していると一冊のものすごく古そうに見える黄ばんだレポートのような物が新八の目に入った。

 

「なんだろうコレ。うわっ!汚っ!!」

 

気になって引っ張り出すとその表紙には『学校の七不思議』と記してあった。

 

「なにアルか?『学校の七不思議』?」

「え?何?この黄ばみ具合は何?カレー食べながら書いてたの?だからカレーには気を付けろって言ったんだよ!アレ洗濯しても簡単には落ちねぇんだぞ!!」

「知るかァァァァァァァ!!こんなもん洗濯したらぼろぼろになって文字なんか読めなくなるわ!!」

 

新八の持っていたレポートのような物をのぞき込んで友達(?)の一人である中国からの留学生、神楽とよくここに遊びに来るやる気のない死んだ魚のような目をした教師の銀八先生が言い、銀八の意味不明な発言に新八が的確につっこんだ。

『学校』、といってもこのレポートの古さからして旧校舎のことだろう。

この学校には新校舎と旧校舎の二つがあるのだ。

新校舎が造られると同時に旧校舎は使われなくなったが新校舎の建設に費用をかけすぎて旧校舎を取り壊す資金がなくなってしまい使われていない今もそのままにしてあるのだ。

はっきり言って計画性ゼロ。

この学校は金の使い方と言うのがなっていない。

まぁ今更気にしていては身が持たないのだが・・・。

なんせこの学校は意味のないものであふれかえっているのだから。

例えば校長の頭に生えてる触角的な物とか、校長の頭に生えてる触角的な物(たまにペットに食いちぎられる)とか、校長の頭に生えてる触角的な物(教頭にも生えてる)とか校長の頭に生え(強制終了)

 

ページをめくってみると中身は小説になっていてどうやらこの学校に伝わる七不思議を確かめていく、という内容らしい。

軽く読んでみたが肝心のラストである七つ目が不自然に抜けている。六つ目が終わりかけたところまでしか書かれていないのだ。

 

「ほんとにこんな事あるアルか?」

「あ?バカか。こんな事あるわけねぇだろ」

「じゃあ試しに行こうヨ」

 

銀八のバカにした口調に神楽は少々むかついたらしく挑発的に言った。

 

「い、行っても意味ねぇよ。どどどどどどうせ何も起こんねぇんだから」

「いやいやどもり過ぎだから」

 

異常な焦りを見せる銀八に新八が少々引き気味につっこみをいれた。

 

「べべべべべ別にびびってなんかねぇぞコルァ!俺はそんな非科学的なものは信じねぇんだよ!!七不思議とかは信じてるけどな!!」

「ばりばり信じんてんじゃねぇかァァァァァ!!」

「あ、やべっ!ち、違ぇよ『七不思議とかは信じてるけどな!!(嘘★)』の間違いに決まっんだ」

「今『あ、やべっ!』っつったろ!!ってか★つけんなよ!なんかむかつくんですけど!!」

「今の『あ、やべっ!』には、『あ、矢部っ!さんにジャンプ返さなきゃ』っていう意味が隠されてる・・・のかもしれないな〜」

「矢部っ!さんって誰!?しかも自分のことなのに『かもしれないな〜』って何!?」

「お前矢部さんなめんなよ。矢部さんはなぁ矢部さんで矢部さんだから矢部さんなんだぞ!」

「矢部さんスゲェアル!!」

「今ののどこで矢部さんのすごさが伝わったの!?」

「矢部さんはなぁ「今日の夜8時に学校集合ヨ〜。じゃ!」

 

銀八が矢部さんについて語り始めようとすると神楽が帰る準備をしながら勝手に会話を終了させた。

 

「「おいィィィィィィィィ!!!!何勝手に決めてんのォォォォォォ!!!?」」

「・・・怖いアルか?」

 

神楽は二人を見てバカにしたようにぷっ、と笑って言った。

 

「い、いや俺は別に怖いとかそおいうアレじゃねぇぞ!!い、いいぜ上等じゃねぇか」

 

そんなこんな(どんなこんな?)で三人は夜の学校に忍び込む事になったのだった。