淡い色の髪を風にさらさらと揺らしていた少年、沖田総悟は突然何かを思い出したかのように机を大きく叩き、立ち上がった。

「土方さん」

沖田に呼ばれた土方は不機嫌そうに顔を上げた。

「あ?」
「今日って何日でしたっけ?」
「22日?」
「2月の?」
「当たり前だろ」

沖田は教室を足早に飛び出して隣のクラスに向かった。
残された土方は訳がわからないといったように首を傾げていた。





半月後の君に捧げるラプソディ





隣のクラスのドアを勢いよく開けるなり、目的の人物の名前を呼ぶ。
!」
「へ?ど、どうしたの沖田くん」
「一緒に帰ろうぜィ」
「え?部活は?」
「いいから帰るんでさァ!」
沖田はにずんずんと近付いていき、腕をとって机の上に乗っていた鞄を乱暴に掴んで引っ張った。
「ちょ、ちょっと!沖田くん!?」
借りて行きますぜィ」
「いいよ〜沖田くん。いってらっしゃい、♪」
「えー!?」
沖田はその場にいた友達に一言良い、を半ば引きずるようにして連れて行ったのだった。



階段を急いで駆け降りて昇降口を目指す二人。
「お、沖田くん、何処行くの?」
「………」
が尋ねると沖田はいきなり止まって黙り込んでしまった。
「沖田くん?」
「………何処に行きたいですかィ」
「え?私?」

どうやら行き先は考えてなかったらしい。

「そうでさァ。の行きたいとこに行きましょう。あ、日が暮れるまでだけど」
「んー…じゃあ新しく出来たショッピングモール行こう!」
「わかりやした」
「やった!」

沖田の部活が長いのでいつも何処かに寄ってくという事がないため、は久しぶりの制服デートに浮かれていると自転車置き場の前を通り過ぎてしまった。

「あれ?沖田くん自転車は?今日は歩き?」

沖田は自転車通学だったはずなのだ。

「ふふっ内緒ですぜィ?」

悪戯っ子のように笑いながら人差し指を口に持っていく沖田。
が疑問に思っていると沖田が自転車置き場の陰からバイクを引っ張りだしてきた。

「あ!バイ…」

最後まで言う前に沖田に口を塞がれてしまった。

「しーっ!校則違反なんですから」
「あ、ごめん」
「はい、メット」
「これで行くの?」
「そうでさァ」
「校則違反だよ?」
「バレなきゃいいんですよ。バレなきゃ」

楽しそうに口端を上げる沖田を見れば校則違反などどうでもいい気がして来た。

「…うーん……ま、いっか」








モールに行き色々なところを回った。
可愛い小物や洋服など…まぁ、殆どウィンドウショッピングだ。
最後にはアイスクリーム屋により二段のアイスを食べてモールを出る事にした。



「このまま帰るのー!?」

バイクの後ろからが叫ぶ。
普通に話しかけても風のせいで前にいる沖田には聞こえないからだ。

「違いまさァ。まぁ楽しみにしてなせぇ」
「?」

が疑問付を浮かべていれば前から沖田の髪がさらさらとこちらに流れてくる。
ふと前を見ればいつもとはなんだか雰囲気の違う沖田が。
それを見て何故か沖田がよりかっこよく見え、なんだか恥ずかしくなり照れ隠しに捕まる力を強めた。
照れ隠しと言っても別段誰かに見られている訳ではないが…。









「着きましたぜ」

そうこうしている内に目的地に着いたようだ。

「此処……夏に花火大会の穴場だった河原?うわー懐かしいねぇ。でもなんでこんな所に?」
「今日、何の日だか知ってますかィ?」
「ん?2月22日だよね?なんかあったっけ…あ、にゃんにゃんにゃんの日!」
「違いまさァ」

呆れた目で見てくる沖田。

「えー?じゃあ何?」
の誕生日から半年なんでさァ」
「私の誕生日から半年?…あぁ!そうだね。でもなんで?」
「半年前は付き合ってなかったし誕生日も知らなかったから何も出来なかったんで、何か出来ないかと思ってこれを持って来たんでィ」

とても楽しそうに言う沖田の手には花火セットが。

「こんな時期に花火ってのもおつなもんでしょう?」
「わー!ありがとう!!だから日が暮れるまでここには来なかったのか!よくこんな時期に花火なんて持ってこれたね!凄い!!」

ささやかなどっきりに興奮して一気にまくし立てる

「まあまあ落ち着いて。さぁ、やりましょうか?」







今日は君の生まれた日ではないけれど、綺麗な薔薇の花の代わりに光輝く花火に乗せて君に届けるよ




”半月後の君に捧げるラプソディ”を




















はい、哉音様誕生日おめでとうございます。(おせぇよ)
遅くなってすみません。本当心の底からすみません。
オフで学校を辞める程の事がりまして…;
半年も遅れてしまったのでそれにあわせて前に途中まで書いてたやつ全部消して書き直しました。
書き直した割りに支離滅裂な上にリクエストに応えられてないような・・・;
あまりに遅くなってしまったので挿絵をば………
いや、要らなかったら見なくてしいいんで!
つーかもう本当汚い文章ですね;
我ながら泣けてくるくらい……
こんなんでよろしければお受け取りください!


2007.02.20 朔


↓挿絵↓
































沖田さん・・・なのか?
一応持ってるのは線香花火です。
因みに下に書いてある「気紛れシエスタ(http://whim.omiki.com/)」ってのはこれから地近々移転予定のサイトです(今のサイトから独立します)。